【転職】退職時は「飛ぶ鳥後を濁さず」

【転職】退職時は「飛ぶ鳥後を濁さず」

転職の際、内定をもらえてホッとしたところで、次に重要になってくることが、現職の退職の仕方です。転職全体の流れについては、”【転職】転職が決まって現職場を離れるまで”で説明していますのでよければ読んでみてください。後々を考えた際に、出来るだけ穏便かつ後を濁さずに退職することをおすすめします。

今回は、退職時になぜ穏便に進めた方が良いのか、穏便に進めるためには何を気をつければ良いのかについて説明したいと思います。

退職を穏便に進めるべき理由

揉めて辞めるよりは、穏便に辞めた方が良いというのは当たり前の話ですが、もう少し具体的な理由について説明します。

穏便に退職すべき理由
・協業の可能性
・出戻り転職の可能性
・リファラル採用の可能性
・リファレンスチェックの可能性
・情報交換。

協業の可能性

退職して会社を離れた後も、業務として元の会社と関わる可能性はゼロではありません。退職時に揉めてしまうと、のちに業務で関わった際に、最初から悪印象を持たれてしまい、支障がでてしまう可能性あがあります。
もちろん、元いた業界と、転職先の業界が離れていれば、可能性は低くなりますが、さらに先の転職で関わる可能性はゼロではありません。

ここで、私の過去に退職者と関わった事例を一点あげます。
私がメガベンチャーに勤めていた際に、若手のエンジニアが大手のコンサルに転職してい来ました。そのコンサルはメガメンチャーでも契約している会社でした。退職してしばらくすると、その若手がコンサル会社からの業務委託として元のメガベンチャーに常駐で働いておりました。話を聞くと、そのメガベンチャーの内部ルールやツールの知見を持っていることで、コンサル内でも重宝され活躍しているとのことでした。

出戻り転職の可能性

最近の会社では出戻り転職を認めるケースが増えて来ております。もし将来的に会社に戻る可能性がゼロではないのであれば、その際にスムーズに戻れるように穏便に退職すること必要です。転職は不安が大きいものですし、失敗するリスクも大いにあります。いざとなったときに戻れる場所があるというのは、非常に安心感があります。

一般的にはリエントリー制度と呼ばれ、一度社外で経験を積んで成長し、また戻ってきて活躍して欲しいという制度です。企業側のメリットとしては、退職者は、社内の文化やルールに精通しているため、初期の教育コストが削減できたり、入社後の文化の違いによるアンマッチのリスクが少ないという点です。

リエントリー制度のルールについては企業によって違いますが、特に気になる年収面ですと、一般的には離職期間とその間に積んだ経験により判断というのが一般的です。例えば離職期間が1年未満であれば、元の報酬で採用、それ以上であれば経験により総合判断といった形です。

私の経験では、特にメガベンチャーの際に出戻りの方が非常に多かったです。その会社は非常に仕事のやりがいは有るものの、給与水準は同規模の会社より低めとなっており、高年収を求めて転職したが非常に多かったです。転職してみたものの、やりがいが得られずに。元の会社の良さに気づいて戻って来たという方が非常に多かったです。
いわゆる隣の芝は青く見えるというやつです。

リファラル採用の可能性

まずリファラル採用について一言で説明すると、社員の紹介による採用となります。過去に同じ会社で働いていた方がよその会社に移った後に、かつての同僚に直接声をかけて、採用をすすめる形となります。もちろん逆のパターンもあります。会社のメリットとしては、社員の知り合いということで、ある程度能力やひととなりが事前にわかっておりミスマッチが防げるのと、エージェントを通さないためコストが抑えられる面となります。

特に現職で上司や周りに優秀な方が多い場合、それらの方々は将来起業したり、大企業の幹部になったりする可能性もあります。その時に、あなたが優秀な印象を与え、良い関係が気付けていた場合、直接声をかけてもらえるチャンスは大いにあります。チャンスを広げる上でも、穏便に退職をすすめることが重要です。

私も過去に数度、かつての同僚から声をかけられたことがあります。自身のキャリアとタイミングが合わず、お断りしましたが、いずれも魅力的な案件でした。
その一つを紹介すると、メガベンチャー時代に上司だった方が、私と同時期に退職し、その後もう少し小規模なWebサービス会社の役員に就任しました。社内でビジネス感覚を持ったエンジニアが少ないことに課題を持っており、私に部長以上の待遇を保証するから来ないかと声をかけてくれました。残念ながらお断りしたものの、自分のことを評価してくれていて声をかけてもらえたことに、非常に喜びを感じました。

リファレンスチェックの可能性

リファレンスチェックというのは、転職を行う際に、採用企業が応募者の過去の会社での働きっぷりを確認するために、応募者が過去に所属していた会社の上司などに、確認を行う行為です。タイミングとしては、最終面接の前後で行われるのが一般的です。

外資系企業では一般的でしたが、最近では日本の会社でも取り入れている会社も増えて来ているようです。ハイキャリアの採用の場合のみに行われるといった事例もあるようです。

やり方については、一般的には応募者からリファレンスチェックの対象者を紹介する形で、事前のお願いなどは応募者の方で実施する必要があります。
普通に良い関係を気付けていれば、特に当たり障りなく、良いことを伝えてもらえるのが普通ですが、関係性が悪いと悪い話を集中的にされてしまったり、そもそもリファレンスチェックを引き受けてもらえないリスクが大きくなります。
リファレンスチェックをお願いできる人員を確保しておくのは、今後の転職においては重要度が増してくると思います。

私も以前の転職でリファレンスチェックを求められたことがありました。日本の企業ですが、マネージャークラスの採用であったため必要とのことでした。現職の上司にはバレてしまうためお願いできないので、前職の元上司に依頼を行いましたが、幸いなことに関係は良好で、あったため快く引き受けてもらえ採用に至りました。

情報交換

これは説明するまでもないかも知れませんが、仕事の関係者と関係を維持することで多くの情報を得ることができます。最近では、FaceBookやTwitter、LinkedInなど、便利なSNSが多くありますので、退職時には出来るだけ多くの方と繋がりを持ってから辞めることをお勧めします。

私も、日常からSNSは仕事用に使うようにしており、出来るだけ知り合った方とは繋がるようにしておりますし、退職時にはお礼のメールとともにSNSのアカウントを送るようにしています。
特に、会社の幹部クラスの方だと、その会社の大きな方針やニュースだったり、業界でのニュースなどについても発信していることが多く、非常に有用な情報が得られることが多いです。

穏便に退職するために気をつける点

穏便に退職を行う上で、気をつける点についても説明します。
まずは以下にポイントを上げます。

穏便に退職するために気をつける点
・退職の理由はポジティブに直接伝える
・できるだけ仕事が落ち着いたタイミングを選ぶ
・退職までに十分な期間を持つ
・引き継ぎをしっかりと行う

退職理由はポジティブに直接伝える

まず重要となるのが退職理由の内容と伝え方です。伝え方としては、極力直属の上司に対面(今だとオンライン)で直接話すのが良いです。昔ながらの考え方かも知れませんが、やはり人間ですから、メールやチャットで伝えるより、直接話をした方が印象は遥かに良いです。また、直属の上司以外でも、お世話になった方がいるのであれば、可能な限り直接伝えるのが良いです

次に退職理由ですが、これは面接と同様ポジティブな理由を話すが良いです。例えば、自身のキャリアを目指す上で新しい会社へのチャレンジが必要になったという感じです。そうしておけば、常識的な上司であれば、「頑張ってこい」「戻りたくなったら戻っておいで」と前向きな言葉をくれると思います。
また、その際にですが、周りへのお詫びの気持ちを忘れないようにしましょう。退職自体がそもそも周りに迷惑をかける行為です。職業選択の自由があるとはいえ、今まで一緒に働いて来た仲間に負荷をかけることになるのは間違いありませんので、そこは素直に、お詫びの言葉も伝えましょう。

退職理由としてネガティブな理由を話す場合、悪印象を与えてしまう可能性があります。自身の健康上の問題や家族の都合であれば問題ありませんが、会社や職場に対するネガティブな理由はNGです
説明の仕方が悪いと、単に上司やチームの悪口に聞こえてしまうリスクがあります。また、仕事が忙しいといった理由の場合、「あなたが辞めることで周りの人はもっと忙しくなるけど?」と思われてしまう可能性があります。

出来るだけ落ちついたタイミングを選ぶ

退職のタイミングとして、出来るだけ仕事の落ち着いたタイミングを選びましょう。もちろん、会社の規定に従えっていれば、いつ辞めるのも自由となりますが、極力周りのメンバーに大きく迷惑を掛けない方が望ましいです。
特にプロジェクトの真っ最中や、体制変更の真っ最中などは避けた方が良いです。

上司や周りの仲間も人ですから、バタついたタイミングで退職をされると、仕事に追われてテンパってしまい、悪態をつかれたり、悪印象を持たれてしまう可能性があります。つまらないことで人間関係を悪化させるのは避けたいですので、出来るだけ周りが穏やかに見送ってくれるタイミングを選ぶのが重要です

退職までに十分な期間を持つ

これは言うまでもないですが、退職までには十分な期間を設けましょう。大きな理由としては、この後説明する引き継ぎのためですが、もしあなたが管理職の場合は後任のアサインや補充採用の可能性もありますので、それも踏まえて出来るだけ期間を取った方が好ましいです。

法的には1週間までも問題ありませんが、最低限に1ヶ月は取るのが無難です。また、有給を消化したい場合は、その期間も踏まえておきましょう。

私の場合だと、大体は引き継ぎに1ヶ月、有休消化に1ヶ月で、退職2ヶ月前には退職の意図を伝えられるよう、活動を進めていました。

引き継ぎをしっかりと行う

これも言うまでもないですが、引き継ぎをしっかり行ってから退職することが重要です。

引き継ぎの仕方としてお勧めするのが、まず最初に引き継ぎ項目リストを洗い出して、上司や引き継ぎ担当者とレビューして項目をFixすることです。そのあとは、定期的に打ち合わせを持って、引き継担当者と状況と引き継ぎ完了有無の認識合わせをしていくことです。その際には、引き継ぎ項目ごとに、進捗メモ、ステータス(完了したか)、しっかりとリストに記述を残すようにしましょう。

基本的にあなたが抜けることで、引き継ぎの担当者は忙しくなりますし、引き継ぎ担当者としては単純に追加業務が増えるため、よほど優秀な方でなければ積極的に引き継ぎを行おうとはしません。
そうなった場合、あなたが退職した後になって、アレがないコレがない、引き継ぎがされてないとトラブルになるなることがよく起きます。そうなると、引き継ぎは全てあなたの責任にされ、自分の預かり知らぬところで、評判が悪評が立ち、評判が悪くなってしまいます。

しっかりと引き継ぎの内容、状況をすり合わせ、同意を得ながら進めていくことで、退職後にトラブルになるリスクが大きく減ります。